papakosoブランドの抱っこ紐や子育てバッグ用織ネームは細かな文字も再現します

パパコソ抱っこ紐
papakoso® 抱っこ紐

今回ご紹介させていただくのは、株式会社 ワンスレッド様の『papakoso(パパコソ)』ブランドに採用された織ネームです。

『papakoso』は”パパの子育てから、家族に笑顔を”をモットーに抱っこ紐(papa-dakko)やパパバッグを開発されており、子育て中のパパ・ママの意見を取り入れて考えられた商品です。

商品の詳しい内容は下記のWebページに書かれています。
papakoso(パパコソ)Official Web ショップ

家族でお出かけした帰りに疲れて寝てしまった子供を抱っこするのは本当に大変ですよね。
一緒に走り回ってたパパもママも疲れているのでなおさらです。

そんな時に抱っこ紐やパパバッグで補助してもらえると楽だと思いましたし、お出かけ中の荷物がすぐに取り出せるのも助かります。
ちょうど子供が小さい時期を2,3年前に経験しているので、使う人のことをよくよく考えられた商品だと強く感じました!

パパバッグ
papakoso® パパバッグ

そんなパパ・ママのことを考えた人気商品に当社の織ネームを使っていただき、大変光栄です。
今回は2種類の織ネームをご注文いただきました。

2つの違いは取り付け方法の違いによる折り曲げ加工の違いです。
ブランドラベルの取り付け場所に応じて折り曲げ加工が異なりますので、最適な織り方になるようタテ糸とヨコ糸の使い方を変えた2種類を制作いたしました。

■センターホールド仕上がりタイプ
 

■エンドホールド仕上がりタイプ
 

織ネーム全体は紺色の背景に、ブランドロゴは顔の絵が入った、白色の文字のデザインで描かれていました。

通常の白糸では背景の色の影響を受ける可能性があるので、しっかりとブランド名が表現できるように、背景色が透けない特殊な糸を文字に使用し、高密度な織り方で仕上げました。

また、®マークや「from yokohama」の文字は小さいため、ゆがみが発生しやすいことを考慮し、きれいな円と文字を描けるように試作を繰り返しました。
この部分には特注の細い糸を使用して小さい文字を再現しました。

織物設計図(型)作成担当者は歪みを予想して型を作りますが、この歪み具合はこれまでの経験から予想するしかありません。
うまく一回で型が完成することはほぼなく、数回の試し織りと設計図の調整を繰り返します。

 

このような型の微調整を短時間にできるのは、自社内で織物の製造と設計図の作成をおこなっている当社の強みです。

お客様のこだわりに私たちがお応えいたしますので、何なりとお申し付けください。

 

 

帽子用織ネームの繊細なデザインは極細糸と高密度織りで表現します

cahppo

帽子に取り付けられる織ネームタグの繊細なデザインを極細糸と高密度織りで表現しました。

この織タグのデザインは背景の黒色とデザインの金色の2色だけで表現されており、『線』の再現が大切でした。
左右の人物の顔の線と、真ん中のワンちゃんの輪郭はとても細い線で描かれていますので、この部分を上手に表現するのが織物設計図(型)作成担当者の腕の見せ所です。

ベテランスタッフが担当しましたが、とても難しかったようで、試作の回数が5回を超えておりました。
”試作した織タグを見て、型を微調整する”という作業を繰り返します。
それでも表現できなかったようで、糸の種類と太さを変更し、それに合わせて型の微調整を加えることで完成しました。

赤い線で囲まれた部分が、表現が難しかった箇所です。
最初の試作では細い線が薄く、滑らかな曲線になっていない部分もあります。
また、「MADE IN JAPAN」の文字も縦に伸びてしまい、黒い横線が入ったような文字になってしまっています。
この細い線の部分を手作業で修正すると下の写真のようにしっかりと線を表現できます。

このように織り上がった織ネームを見て、線の太さを調整することはよくありますが、型の微調整をおこない、再度試作することが短時間に出来るのは、織物設計図の作成を社内でおこなっている当社ならではです。

私たちは「お客様の商品価値を高める織ネームづくり」を目指して、お客様のご要望には妥協せずにお応えしますので、なんなりとご相談ください。

(後日談)
今回、ご紹介させていただいた、帽子工房「Chappo」様ではフェルト、布などの生地はもちろん、酒袋など特殊な素材を使った帽子づくりをされており、ハットやベレー帽などすべての制作工程を工房内でおこなっていらっしゃいます。
そして、自社の帽子への修理もなさってます。 服や靴の修理はよく見かけますが、帽子の修理はとても貴重な気がしませんか?

当初お客様は、デザインに細い線が入っているため、織ネームで再現できるのかどうかをご心配されていらっしゃいましたが、当ブログの「山内」様の記事をご覧になり、私たちへのご注文を決められたとのことでした。
帽子を使う人のことを考え、想いが込められた商品に取り付けられる織ネームに、私たちの商品が採用されたことは大変光栄です。

「Chappo」様は、「山内」様の商品をご利用していらっしゃるお取引先様から「山内」様のお話をお聞きになっていたようです。
そして、今回のデザインを描かれたイラストレーターの「YACHIYO KATSUYAMA」様には、以前そのお取引先様のお店で展示販売する時にDMを描いていただいたそうです。
いろんな人とのご縁を経由して、今回私たちの技術力を信頼してご注文いただき、実際に織ネームを受け取られ、お褒めのご連絡をいただきました。

今後も様々なご要望にお応えできるよう、織り技術の向上に努めたいと思います。

バッグや鞄におすすめの織ネームは擦れに強い織り方で作りました

鞄用織ネーム

今回ご紹介させていただくお客様がこれまでに無い、使いやすいバッグを開発されたきっかけは、旦那様がご病気により右半身麻痺になられたことです。

懸命なリハビリの結果、日常生活が可能になり、仕事復帰を目指していたところ、片手だけで様々な動作をおこなうことの難しさに気づかれ、片手しか使えないというのは、お子さんを抱っこしている時も同じで、子育てをしているママやパパにも共通している悩みだと考え、「片手仕様」の「TOKYO BACKTOTE」を開発されました。

「片手仕様」バッグには多くの機能が盛り込まれています。
詳しくはこちらのサイトに分かりやすく書かれてます。
TOKYO BACKTOTE:https://www.makuake.com/project/tokyo-backtote/

開発された商品は細部にまで考えられていて、使い勝手はもちろん、デザインや素材にも強いこだわりが込められておりました。
私たちも織ネームにはいろんな思いを込めてお作りしているつもりですので、このバッグが必要としている人に届くことを願っています。

お客さんは初めて織ネームを作られるということで、当社にご相談をいただきました。
TOKYO BACKTOTEは天然素材の黒コットン生地を使用されているとのことで、マットな感じの雰囲気をご希望されていらっしゃいました。
また、取り付け場所や方法などもお伺いさせていただき、バッグに取り付ける場合は「擦れに強い」という機能が必須ですので、当社からはその両方を満たす織り方や折り曲げ方法などをご提案させていただきました。

織ネームの作り方が分からない場合でも最適な糸素材・織り方・折り曲げなどをご提案させていただきます。
特に最近はデザインや機能に強い思いをお持ちのお客様からご相談をいただくことが増えております。
私たちは「織ネームは商品の顔」と考えて、お客様の商品価値の向上にお手伝いをさせていただきたいと願っておりますので、皆様のご要望を遠慮無くお申し付けください。

ブランド織ネームを正確に作ることができる業者に必要な3つの技術

ブランド織ネームを正確に作ることが出来る制作業者を選ぶには、業者が持っているべき3つの技術を確認するのが良い選び方だと思います。

制作業者には私たちのような機屋(はたや)や織り元(おりもと)と呼ばれるところがあります。
これらは実際に織物を織る機械である「織機(しょっき)」を使って自分たちで織っている業者のことをいいます。
工場には織機があり、糸も様々な種類と太さを在庫しています。
私たちの工場にも織機が複数台あり、作る織ネームの色や付加価値に応じて織機を使い分けています。

そして私たち制作業者の制作の流れは、
 ・デザインの表現や織ネームの取り付け位置などを考慮した織り方を決める
 ・織り上がりがデザインデータの色に最も近くなる色糸を選ぶ
 ・お客様のデザインデータから織物の設計図である「型」を作成する
という準備を経て試し織りに進みます。

試作した生地を見て、デザインはもちろん、色の再現性や寸法の確認をおこないます。
この試し織りをした後、お客様のデザインを正確に再現するためにはこれらの3つが必要になります。
 ・『型の修正
 ・『織機(しょっき)設定の微調整
 ・『色糸の変更
の3つが必要です。
これらのことを自由に出来る業者を選ぶことができれば、あなたのブランド織ネームは50%以上完成しています(笑)。

 

①織物の設計図「型の修正」とは


ブランドタグのお見積もりをされた人はご存じだと思いますが、見積もり書に「型代」という項目がありませんでしたか?
これは印刷でいう「版代」に当たります。
織ネームを制作するにはタテ糸とヨコ糸をどのように動かしてデザインを再現するのかを決めた設計図が必要になります。その設計図のことを「型」と呼んでいます。

この型はコンピュータのソフトで作られており、髪の毛のような細さのタテ糸や、様々な素材・色のヨコ糸を1本ずつ制御しています。
お客様の織ネームタグの仕上がりはこの「型」の出来具合に大きく左右されます。

試作した生地を確認し、寸法の調整やデザインの表現などを修正するために織り方を変更することが『型の修正』です。
この『型の修正』を繰り返すことで、お客様のデザインを正確に表現出来る織物が仕上がります。

 

②織機設定の微調整とは

上の『型の修正』と合わせて、織機の動きを微調整することもあります。
『型の修正』だけでは織り具合を調整しづらい場合には積極的に織機の設定を変更しますし、色糸(ヨコ糸)だけではなく、タテ糸の張り具合でも織物の仕上がりが変化するため、織物毎に最適な糸張力に微調整をおこないます。
昔の機械から比べれば楽に織れるようにはなりましたが、それでも職人の経験が必要な仕事です。

 

③色糸の変更とは

お客様のデザインの色を再現するには色糸の選択が重要になります。
しかし、色糸は印刷物と比較すると色の種類が少なく、「型」の基本となる織り方にも影響を受けて織物の色が変化する特徴があります。

上の写真は糸の見本帳ですが、例えば紫色の「M-402」という1つ糸番号に対して4種類の色が見えませんか?
実はこの4種類とも同じ色の糸で織ったものですが、織り方が異なっているだけです。
 左上:トジ15本
 右上:5枚裏朱子
 左下:綾4×4
 右下:5枚朱子
このように織り方を変えると同じ色の糸でも再現される色が変わってしまいます。

上の『型の修正』をおこなった場合、同じ色糸では色の出方が変わることがあるため、
色糸の変更も同時におこないます。

 

このように、『型の修正』、『織機設定の微調整』、『色糸の変更』はすべて連動しており、
どれか1つだけの修正で完成する場合もありますが、細かなデザインなどはこれら3つの技術を組み合わせて試作を繰り返し、デザインと色を正確に表現します。

 

この3つの技術には制作業者が「機屋」や「織り元」であることに加えて、「型」を自社内で作っている業者である必要があります。
というのも、「型作り」を外部の業者に委託している場合は、試作生地の写真を送って型作成業者に型の修正してもらうことになります。
写真だけでは細かな不具合に気づきにくく修正が完了するまでに何度もやり取りが発生し、かなりの時間がかかります

また、機屋は「型」の修正を依頼して、修正した「型」が届くまで織機を止めておくことになり、
仕事の効率が悪化するため費用の上昇や納期の遅延が発生する可能性があります。

私たちのように、実際に試し織りをした現物の生地を見て、型を作った人が直接修正する方法が、
最もデザインの再現精度が高く、短時間に型が完成します。

もちろん、当社以外の制作業者に依頼する場合にも、
 ・『型の修正』
 ・『織機設定の微調整』
 ・『色糸の変更』
これら3つの技術を持っている業者さんへ依頼すれば安心だと思いますのでご参考にしてください。

私たちはお客様のご要望に可能な限りお応えいたしますので、お気軽にお問い合わせください。