出口織ネームの日常」カテゴリーアーカイブ

出口織ネームの出来事や想いを気軽につづります

刺繍タグをオリジナルの織りネームやブランドタグで制作する

「刺繍タグの刺繍部分の色は自由に選べますか?」
「刺繍ネームは小ロットで作ってもらえますか?」
というお問い合わせを最近いただくことが増えました。

衣類やバッグなどには取り付けられていることが多いブランド名が分かる小さい布生地。
梨地織りと綾織りブランドタグ
これらは私たちの業界では、「織ネーム」や「ブランドタグ」と呼ばれています。
しかし、お客様から上のようなご質問をいただくことが増え、織ネームは専門用語だったと思い出しました。
お客様からすると、刺繍というイメージなんですね。他にもいろんな呼び方がされいますが、その話また別の時に。
さらに、余談ですが、私たちは「」の入っていない”織ネーム”と書きますが、多くのお客様は「り」が入った”織ネーム”と書かれます。
日本語変換では候補の1番目に”織りネーム”とされますから、当然ですよね。

昔は大手メーカー様がブランド名やブランドロゴを織り込んだ織ネームをスーツやネクタイ、シャツ、財布やバッグなど様々な商品に取り付けていることが多かったです。

最近はハンドメイド作品をお作りされているお客様もブランド名や作者名を入れた刺繍タグをご使用されていらっしゃいます。
やはり、ご自分の作品や製品に取り付けることで、購入者様に安心感とオリジナル感を与えることができるのではないかなと感じています。

さて、
 『織ネームと刺繍ネーム』 『ブランドタグと刺繍タグ』
の違いですが、
『ベース生地に、色糸を追加して文字やデザインを描く』のが刺繍ネームや刺繍タグです。

刺繍手作業4色の糸

写真ACより引用

これは白いベース生地にグレーの糸を針に通し、ベース生地に刺して文字を描いています。色糸の方向は上下左右に加えて、斜め線も自由に表現できます。
文字の上のお花も白・黄・緑の糸を1本ずつ針で生地に縫い付けて表現しています。
刺繍の特徴は、デザインの糸がベース生地より盛り上がるため、立体感があります。

ベタ織り8色ブランドタグ『ベース生地とデザイン部分を1枚の生地として同時に織る』のが織りネームやブランドタグなどです。
私たちの織物の糸の方向はいつも、上下左右だけです。斜め線や曲線は工夫して再現しています。
織りネームには、細かな線の表現や多くの色を使えるデザインの自由度が高い点と、擦れなどに強いという特徴があります。

刺繍5色ミシン作成

写真ACより引用

刺繍は刺繍用ミシンで作ったものの方が皆さん見たことがあるのではないでしょうか?
帽子やユニフォームについていることが多い、ワッペンですね。
ミシンで作ったワッペンは色も多く使え、デザイン性も高いです。
そして、刺繍ワッペンとしての存在感が強いですよね。

私たちが作る織りネームは最大12色の色が使え、ベース生地にもデザインや模様を織り込むことができます。実は、下の織りネームのベース地には模様が入っています。
そのベース地の上にブランド名やブランドマークなどを自由に描けるのが織りネームです。
ベタ織り8色ブランドタグこの織りネームの色糸は上下方向に入っています。黄色の文字の部分を拡大すると見やすいです。
そして、色糸の下に隠れていて見えませんが、左右方向にタテ糸が入っていて、色糸(ヨコ糸)とタテ糸が交差して織物が出来上がっています。
糸の方向は常に縦と横です。斜めにもできる刺繍とは異なる点ですね。

  刺繍(ミシン) 織りネーム
文字の表現 △最小4mm ○最小1.2mm
フォントの種類 △少ない ○多い
デザインの表現 △中~大サイズ ○小~大サイズ
色数 ○最大15色 ○最大12色
設計図の有無 ○不要 ×必要
少ロット生産 ○10枚でも同額 △100枚以下は割高
大量生産 ×苦手 ○得意
費用 ○100枚以下は安い ○初回 or 追加で300枚以上なら安い

このような特徴があると思いますので、取り付けされる製品のイメージに合うタイプをお選びください。
ブランド名などが入った織りネームやブランドタグは、商品を購入される方に安心感を与え、オリジナル感もアップすると思います。
ぜひ、織りネームで作成したいお客様はお問い合わせくださいませ。
お客様の製品の安心感や高級感アップをお手伝いする織りネームをご提案させていただきます。

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織りネームの最低ロットや費用を知りたい 50枚でも作成できますか?

最低ロット_綾織ブランドタグ

「織りネームは何枚から作ってもらえますか?」
「お守り袋の最低ロットは何個ですか?」
といったお問い合わせを多くいただきます。

私たちは最低ロットを決めていませんので、1枚でも50枚でも100枚でも作成いたします。
新ブランドを立ち上げて初めて織りネームを作られるデザイナーの方や、参拝客に氏名入りのお守り袋をお渡ししたい寺社のご担当者様からすると、最小ロットは何個から作ってもらえるのかはとても気になることですよね。

干支のお守り_最低ロット

織りネームやブランドタグだけではなく、お気に入りの写真を織物生地にしたものなども1点から制作できますので、お気軽にお問い合わせください。
ただ、費用に関しては注意していただきたいことがありますのでご説明いたします。

○型代
織りネームやお守り袋など織物生地を作るには「型」と呼ばれる織物の設計図を作る必要があります。
これは織物生地の作成費用とは別にいただく費用になりますが、初回だけ発生するもので、2年以内に追加のご注文あった場合、型代はいただきません。
この型作成費用はデザインの大きさや細かさ、色の数によって変動し、ご注文数の多い少ないとは関係が無い費用です。

○製品代
織りネームやお守り袋などの製品代は、ご注文いただく数量によって生地単価が変動します。
ご注文数が多い場合は効率よく生産できるため生地単価が安くなり、逆にご注文数が少ない場合は生地単価が高くなります。
この生地単価にご注文数量を掛けたものが製品代になります。
お客様にお送りする御見積書では、数量ごとに単価と金額が表示されている箇所です。

○初回ご注文時の費用
 ・型代
 ・製品代(生地単価×ご注文数量)
 ・送料
が最低限必要になります。
そして、ご注文内容によっては、デザイン作成費やブランドタグの折り曲げ加工費用、お守りの部材費用、試作費用などが発生いたします。

最低ロットを決めておりませんが、費用に関してご注意いただきたい点は、
 「ご注文数量が300枚までは製品代があまり変わらないことが多い」
ことです。

織りネーム_梨地織り-最小ロット

50枚の織りネームをお作りになる場合も、300枚の場合も製品代はあまり変わらないという感じです。

100枚の制作をお考えのお客様はお見積書を見ていただくと、300枚以上にご注文数を変更される方が多くいらっしゃいます。

デザインの緻密さや生地の寸法などで多少の違いがございますので、Adobe Illustrator VerCS5 のデータを添付してお問い合わせいただけると、正確なお見積もりができます。

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織りネームのサンプルや織り方見本を送って欲しいというお問い合わせ

初めて織りネームやブランドタグを作られるお客様からのお問い合わせはたくさんいただきます。
「分からないことばかりですが、注文出来ますか?」
「色々教えていただけますでしょうか?」
などなどから始まるお問い合わせです。

お客様からすると、織りネームやブランドタグは織り方が何種類かあったり、
織る機械が違うと仕上がりが異なるとか、色はどんな具合に仕上がるのか?
などなど分からないことが多いですよね。

ですが、 『全く問題ありません!!』

朱子織のブランドタグサンプル

私たちがお見積りに必要な情報は下記の5点です。

 (1)デザインデータ
 (2)寸法
 (3)折り曲げ方法
 (4)取り付け製品
 (5)制作枚数

これらの情報をいただけますと、正確なお見積もりが可能です。

(1)デザインデータ
写真でもお見積りは可能ですが、Adobe社 Illustrator(イラストレーター)で実際の寸法で作成されたデザインデータの方が、確実なお見積りができます。
その際は「文字のアウトライン化」と「Ver.CS5」にダウングレードして保存していただいたデータを添付してください。
このデータはブランドタグを作成するときに必要になります。もしイラストレーターでデータの作成が難しい場合は、弊社でも作成が可能ですので、データの元になる写真や手書きの資料をお送りください。その際には、お作りしたいサイズに近いサイズの写真でお送りいただけるとスムーズにお見積りができます。

(2)寸法
これは(1)のデザインデータを実寸で作成いただければ問題ありません。
まだデザインデータが無い場合や、写真・手書きでのデザインの場合にはご記入いただきたいです。
折り曲がった状態での寸法と生地全体の寸法など、お客様と認識違いが発生するといけませんので、ぜひご記入くださいませ。

(3)折り曲げ方法
織りネームは取付方法により、数種類の折り曲げ方法があります。
下記のページにはカット加工(折り曲げ)一覧がありますので、ご希望の形に仕上がるカット加工をご指定ください。
 カットと折り曲げ加工:https://doname.co.jp/skill/cut-fold/
折り曲げ方法によっては、縫い代の確認や織り方向の変更などお客様のデザインを最適に再現するために参考になります。
折り曲げの縫い代もお客様のご要望に合わせることができますのでお伝えください。

織りネームの折り曲げ方

(4)取り付け製品
織りネームがどのような製品のどこに取り付けられるのかが分かると、織り方選びの参考になります。
例えば、バッグの外側に取り付けられる場合は、他の物と触れ合う機会が多いでしょうから、擦れに強い織り方や糸をご提案させていただくこともできます。
逆に肌に触れる場所であれば、触れても痛くない織り方や切り口が柔らかくなる方法処理をおこなうなど、最適な製品をご提案できます。

(5)制作枚数
制作する枚数によって単価が変わります。
弊社では最低ロットは設けておりませんので、1枚でも作成いたします。
過去に何度か1枚だけのご注文はありましたが、1枚あたりの単価が高くなります。
織り方やデザインの色数にもよりますが、300枚までは織りネームの総額はあまり変わらないことが多いです。1枚のラベル代と300枚のラベル代の総額が近い感じですが、500枚や1,000枚となると、1枚作成した価格よりも高額になります。
もちろん、その場合の1枚あたりの単価はさらに安くなります。
ご希望枚数ごとにお見積りもできますので、2,3パターンの制作枚数をお知らせください。

このような情報をいただければお見積りはできますが、実際にどんな具合に出来上がるのを確認出来ないと不安ですよね?
そのため、生地サンプルや織り方見本を送っていただきたいというご要望もいただきます。
しかし大変申し訳ございませんが、弊社で制作しているものはすべてオーダーメイド品ですので現物の送付は控えております。
弊社の織り見本帳画像や自社サンプル品の画像はお送りできますし、有償にはなりますが、お客様のデザインデータで試作品を作ることも可能です。
色の再現はもちろん、細い線や小さい文字の再現具合を重視される場合は、ほとんど方が試作されてから本番生産になります。

色に関しては特に、認識のズレが無いように確認していただきたいです。
以前、色選びの難しさについて書いた記事がありますので、参考にご覧ください。


まずはお気軽にお問い合わせいただければ、詳しい担当者が説明し、どのような仕上がりをご希望されているのかを遠慮なくお聞かせいただければ、最適なご提案いたします。

お問い合わせは下のボタンからのお問い合わせフォームやお電話でもお待ちしております。

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織物で作る縁起物や凧揚げ大会グッズにおすすめの凧(たこ)を作成中

私たちはジャガード織機を使って『織物製凧』も作っています。
2006年から制作しており、毎年新年の縁起物としてご注文いただいています。
その年の干支をテーマに弊社でオリジナルのデザインを作成し、お客様にご提案しています。

普段作成している織りネームやブランドタグはお客様のデザインを忠実に織物で再現することを目指していますが、この凧は弊社のデザイン担当者が自由にデザインや色を選ぶことができる製品です。
もちろん、お客様の了解を得られるまでデザインの修正は続きます。
デザインの提案を任せていただけるととてもありがたいご注文です。

そんな織物製凧ですが、私たちのジャガード織物生地だけでは完成しません。
凧の骨組みになる竹材や凧の形を作る糸などを組み上げて完成させています。
業者さんから入荷した竹材は、先端が角ばっているのですべて研磨して、生地に竹材を通りやすくしています。
と同時に、完成した凧を持った時に竹材の先端で怪我をしないように、角を落としています。

織物製凧竹材を研磨

今年は複数人のスタッフで協力して研磨工程をおこないました。
慣れない作業で時間がかかったかもしれませんが、今まで以上にお客様の製品に愛着が湧いたようです。
また、竹材を研いでいる時は、製品を購入されたお客様がどんな感想をお持ちになるのか、小さい子が持った時に怪我をしないだろうかを気にしていたようです。

凧の生地もそろそろ織り上がってくる予定ですので、過去の生地で組み上げの確認をしています。

織物製凧用竹材研磨02

織物製凧を作成中

写真のように裏面も糸が出たままではなく、生地として織り上げています。
もちろん、表面はデザインがしっかり織り込まれています。
さらに、裏面には竹材を通す穴を作ってあり、生地の折り曲げなどはありません。
紙の凧では竹材を固定するために折り曲げたりしていますが、私たちの織物製凧は『袋織』技術を使って、縫製作業無しで作ります。

織りネームなどで培った織り技術を活用して、縁起物や記念品、凧揚げ大会用グッズなどにもおすすめの、織物製凧についてのお問い合わせもお待ちしております。

 

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ピスネームをオーダーメイドで作りたいけど寸法の決め方は?

「オリジナルのピスネームは作ってもらえますか?」

「もちろんお作りできますよ!」

このようなお問い合わせがあります。
私たちは、お客様のオリジナル織りネームやブランドタグをオーダーメイドとして制作しており、幅や長さもお客様がご自由にお決めいただけます。
ただし、幅は10mm以上いただくなど、少し制限はありますが、多くはご要望にお応えできる寸法で製造できます。

ところで、この『ピスネーム』という呼び方ですが、なぜピスネームと呼ばれるのかご存知でしょうか?
ファッションビジネス専門紙の繊研新聞社のWebページによると、

 ・ピスネームはジーンズのおしりに付けられているバックポケットの側面に挟んで縫い付けられていた
 ・アメリカでジーンズが広まった頃に護身用のピストルをバックポケットに入れていたため、バックポケットはピスポケットと呼ばれていた

このようなことから、ピスネーム(Pis Name)と呼ばれるようになったと書かれていました。

ピスネーム取り付け位置
ピスネームの取り付け位置例

もちろん、現在はバックポケットに取り付けるものだけではなく、シャツのポケットやポーチなどの側面に生地の間に挟み込んで取り付けられているものもピスネームと呼ばれています。


ピスネームの特徴は、二つ折り(センターホールド)加工されていて、片面もしくは両面にブランド名やブランドロゴが入っています。

イメージとしては下記のように、片面にのみブランド名やロゴマークが入ったもの取り付けが位置がポケットの横などの場合は表面のみが見えることが多いので、片面にだけブランド名を織り込む場合が多いです。

ピスネーム縦片面ブランド名
ピスネーム横片面タイプ

または、表と裏の両面に織り込まれたもの。

ピスネーム縦両面ブランド名
ピスネーム横両面タイプ

これは取り付け位置がシャツやポーチの側面に取り付ける場合で、後ろからも見える位置なので両面にブランド名やブランドロゴが織り込まれたタイプが多いです。

ピスネーム縦両面センターホールド
ピスネーム横両面センターホールド

ピスネームの完成形はセンターホールドをおこない、縫い代が7~10mmあるこのような状態です。

そしてピスネームの寸法ですが、私たちの作り方では「10mm以上の幅」が最も細い幅という制限はありますが、10mm以上であれば基本的には自由に決めていただけます。
この場合、イメージ図の上下の生地端はヒートカットと言って熱で溶かしながら切断していますので、肌に触れる場所に取り付ける場合はチクチクする場合があります。(使用する色糸の数が少なかったり、表現するデザインや文字によって薄い生地に仕上がれば気にならないことが多いです。)
生地の切り口が気になる場合は、ヒートカットをしないシャトル織機で織れば端面も柔らかい仕上がりになります。
ただし、幅方向の寸法に制限がありますので難しいところです。

ピスネーム横両面タイプ

また、ロゴや文字をきれいに再現するために、織り方の方向が決まります。
基本的にはイメージ図の上下方向が幅となり左右方向が長さとなり織り上げていきますが、色の再現や文字の表現具合などを踏まえて、最も良い方法をご提案させていただきます。

ブランド名をアピールするピスネームにシリアル番号を一緒に織り込むことで数量限定商品に対応できますし、蓄光糸を使って夜でもぼんやりと光らせることもできます。
様々な織り方と糸素材を組み合わせて、あなただけのオリジナルピスネームをお作りいたしますので、ご要望をお聞かせください。

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ブランドタグをオーダーする時に色の指定が難しい理由と良い方法

他社で作ってもらっていた現物見本から同じブランドタグを作れるのか?」というお話の続きになります。

ブランドタグや織りネームをオーダーする時にデザインがデザインデータと異なることがあることは前回お話しましたが、実はデザインよりも色の違いの方が多く発生します。

デザインの不一致の多くは曲線や斜線の部分ですので、どの程度滑らかな線が必要なのかをお伝えいただければ、費用なども踏まえて近い仕上がりの画像サンプルをお送りすることができます。
その画像をパソコンやスマホで見ていただければ、仕上がりの目安は確認できると思います。

私たちとお客様との打ち合わせで最も難しいのはデザインの再現よりも”色の再現具合”ですね。
イラストレーターのデータをパソコンで見る色は、表示しているモニタ画面によって違います。お客様と私たちが同じデザインデータを見ていても色味が違うことがあります。

色の表現はパソコンや液晶モニタのメーカーや設定によりかなり変わりますので、お客様にお送りした織りネームがデザインデータの色と違うというトラブルは発生しやすいです。
試し織りした生地を写真で撮り、メール等でお送りしてご確認いただくこともできますが、これもモニタやスマホによって色が異なって見えますのでご注意が必要です。

色に関してはお客様に下のいずれかで色のお打ち合わせをさせていただいています。

(1)イラストレーターのCMYK値CMYKで色を合わせる方法

お客様からいただくイラストレーターのデザインデータでは選択した部分のCMYKの値を確認できます。
上の写真では水色の部分のCMYK値が確認できます。
 C:27.93%
 M:9.67%
 Y:4.86%
 K:0%
この値に近い色をDICカラーチャートから探して、織り上がった生地と比較しています。

(2)DICカラーガイドDICカラーチャート

DICの番号で指定いただきましたカラーガイドの色と織り上がった生地を比較しています。

(3)デザインをお客様にて印刷した紙
お客様が印刷したものの色をご確認いただき、その印刷物をお送りいただき、その用紙の色と織生地の色を比較します。

(4)現物見本
別の業者に制作作っていただいていたブランドタグやご希望の色に織られた生地などをお送りいただきます。
今まで使用していた織りネームなどであれば、織り方も近づけることができますし、最も色のズレが無い方法です。

しかし残念ながら、デザインを再現するために使用する色糸は何100種類もありますが、印刷物のような微妙な色の違いまでの種類は製造されていません。
さらに、織り方によって、色の再現具合が変化しますので、色糸の種類と織り方の組み合わせで最も近い色を見つけます。

色糸の変更は色糸の在庫があればすぐにできますが、糸の変更ではちょっと色ブレが大きい場合は、織り方で調整することもあります。
この場合は、織物の設計図(型と呼びます)の修正が必要になります。
メーカーの色見本帳が下の写真です。

色糸見本帳

赤線で囲んだ部分は「M-305」という色糸を①~④の4種類で織った生地が貼り付けられています。
①は濃い青色が再現できていますが、④になると薄い青というかグレーのような色に見えますね。
色の再現は奥が深く、「織り方」、「糸の色」、「糸の太さ」の組み合わせで何種類も表現できます。

弊社ではブランドタグの「型」を自社内で制作しておりますので、何度も型の修正をおこない、デザインはもちろん、色の再現具合も繰り返しおこなえます。
この点は私たちの強みであり、お客様のご要望に細かくお応えできる理由です。

それでも、100%全く同じ色にならないこともあります。
その場合は、お客様のご希望の色に最も近い色を見つけてお作りいたしますので、お任せいただくことが多いです。
製品をお受け取りになられたお客様からは「想像以上にきれいな仕上がりでした!」とのお声もいただきますのでご安心ください。

お客様の商品に最適な織りネームはもちろん、インベントグッズ用のお守り袋などの制作において、
デザインや色の再現性を求められる場合は、ぜひお問い合わせください。
いろいろなアイデアでご要望にお応えいたします。

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中国や日本の他社で作成したブランドタグの現物見本から制作できます

「今、使ってる織りネームと同じモノは作れますか?」
「お願いしている業者さんが廃業しちゃったので、現物見本と同じものを制作できますか?」
「他の会社で作ってもらったら、文字がきれいに仕上がってなく、修正をお願いしたらこれ以上は無理って言われたんですけど、きれいにならないんですか?

というお問い合わせが時々あります。
大変お困りのお客様ばかりです。

私たちのお答えは
 『100%同じものは難しいですが、かなり近いモノに仕上げられます!
です。

以前にお願いしていた会社が製造できないのであればまだ納得できますが、ブランドタグの文字やデザインが希望通りになっていないものを作られるのは納得できませんよね。


私たちもお客様との打ち合わせで、「織物はタテ糸とヨコ糸が直角に交差して作られているので、曲線や斜線を表現するのは難しいです」とお伝えしていますが、普通に作ると斜めの線が階段状になってしまいます。

実際に織物ではないですが、イメージとしては下記のような感じです。
元のデザインデータがこれです。

イラストの元データ

これが粗めに織った時のイメージです。

粗い織り方イメージ

画像の上下と左右方向の線はきれいに表現できていますが、曲線や斜め線の部分は階段状になっているのが分かると思います。

そして、これをいろいろ工夫して織った時はこのような感じになります。

現物から作成した高密度風

階段状の部分が滑らかになっていると思います。
※あくまでも織ったときのイメージ図です。

曲線や斜線をきれいに表現する方法は、
  『糸を細くして、たくさん織り込む』
です!

簡単そうに感じるかもしれませんが、細い糸を使えるように織機で調整が必要だったり、織物設計図で細い糸に対応した細かな処置をしないと、織物としてきれいに仕上がらないんです。
これはデザインによって様々調整になるので、担当者の経験値に比例してきれいな織物になりますね。

テレビの画質も、フルハイビジョンよりも4K画質の方がきめ細かい表現が可能なのと同じ仕組みですね。
ブランドタグの業界では「高密度織り」や「超高密度織り」と呼ばれています。

この「高密度織り」は最近選ばれるお客様が多いですね。
細い糸を多く織り込むので価格は上がりますが、デザインや文字の再現がとてもきれいになります。

私たちの「裏朱子織り」は高密度織りに適した織り方ですので、ご参考までにご覧ください。

ただ、織る前にどの程度ガタガタするのかをお伝えするのは難しいので、近い仕上がりになる参考画像をお見積もり時にお送りすることもできます。

デザインの表現具合にもこだわるお客様は、別途費用が発生いたしますが試作をおすすめします。
実際にお客様のデザインでブランドタグを制作し、現物をお送りいたしますので安心です。

長くなってしまいましたが、お客様から完成形の現物見本をお送りいただくのが最も正確に制作できます。
画像では分かりにくいベース地部分の織り方も再現しやすいです。
ぜひ、今お持ちのブランドタグと同じものを制作したい場合は、現物をお送りください。

でも、ホントはデザインの再現よりも色の再現の方が難しいんです。
色のお話はまた次回で。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

弊社では、可能な限りお客様のご要望に応じられるよう、技術力向上に努めておりますので、ぜひ、お気軽にお問い合わせくださいませ。

織りネームをオーダーしたいけどイラストレーターのデータが作れない

ブランドタグの手書きデザイン

織りネームやブランドタグをオリジナルのデザインで作りたいのに、イラストレーターでデザインを作るのが難しくて困っているお客さんからご相談があります。
外部のデザイナーさんに依頼してデザインを作成してもらっているお客様からのお問い合わせが多いかもしれません。


イラストレーターのソフトってプロ用なので操作が難しいですよね。
私も必要最低限いくつかの操作しか使えませんので、描きたいモノが作れないことが多いです。その場合は、エクセルの図形機能で描いちゃいます。

しかし、残念ながら織りネームやブランドタグはもちろん、お守りやミサンガ、織りテープなどの作成には、Adobe社のイラストレーターで作られたデザインデータが必要です。
織物の設計図に相当する『型』を作る時には、このデータを元にするため必要なのです。

以前、こちらの記事にも書きましたが、「デザインデータの作成」と「色の指定」があると、お見積りから製品の制作までがスムーズになります。
 https://doname.co.jp/blog/unofficial-news/725
しかし、手書きやWord、Excelで作成したデザインでも、弊社でイラストレータのデータをお作りすることは出来ます。
別途デザインデータ作成費用をいただくことになりますが。

上の写真の手書きは、かなり以前に自社の織りネームサンプルを作成しようとしたときに、手書きでデザインを描いたものです。
これを弊社の型作成担当者にお願いしてイラストレーターのデータで作ってもらったのが下のデザインです。

手書きのデザインをイラストレーターで作った

綾織の斜線を逆向きにした背景に会社名をアルファベットで描きました。
担当者のアイデアも取り込み、フォントや斜線のピッチ、大文字・小文字を大文字のみに変更しました。
ここまでのイラストレーターデザインがあれば、数量ごとのお見積りも出来ますし、型作成もすぐに始められます。
今回は、デザインいまいちなどの理由で私のデザインは不採用に・・・。

イラストレーターのデザインをお客様からいただいたとしても、織物でデザインや文字を再現するためには、いくつか修正していただきたいことも発生します。
文字の大きさが小さすぎたり、線が細すぎると表現が難しくなりますので、何度か修正があることを考えると、多少イラストレーターの操作が出来る方がコストも納期も短くなります。もしくは、デザインデータ作成から弊社にお任せください。

弊社はこれまで蓄積した技術で他社で断られたという、小さい文字や細い線が何本も描かれているデザインをお客様のご納得されるレベルで織物で再現して参りました。

お客様の
 「こんなにキレイに織れるんですね!びっくりしました!!」
の声を1つでも多くいただけることを目指して、スタッフ全員でジャガード織物作成に取り組んでいます!

下記の織り方紹介ページから、あなたのご要望にあった織りネームや製品の織り方を探してみてください。

織りネームの種類紹介のページはこちら

ブランド織ネームを正確に作ることができる業者に必要な3つの技術

ブランド織ネームを正確に作ることが出来る制作業者を選ぶには、業者が持っているべき3つの技術を確認するのが良い選び方だと思います。

制作業者には私たちのような機屋(はたや)や織り元(おりもと)と呼ばれるところがあります。
これらは実際に織物を織る機械である「織機(しょっき)」を使って自分たちで織っている業者のことをいいます。
工場には織機があり、糸も様々な種類と太さを在庫しています。
私たちの工場にも織機が複数台あり、作る織ネームの色や付加価値に応じて織機を使い分けています。

そして私たち制作業者の制作の流れは、
 ・デザインの表現や織ネームの取り付け位置などを考慮した織り方を決める
 ・織り上がりがデザインデータの色に最も近くなる色糸を選ぶ
 ・お客様のデザインデータから織物の設計図である「型」を作成する
という準備を経て試し織りに進みます。

試作した生地を見て、デザインはもちろん、色の再現性や寸法の確認をおこないます。
この試し織りをした後、お客様のデザインを正確に再現するためにはこれらの3つが必要になります。
 ・『型の修正
 ・『織機(しょっき)設定の微調整
 ・『色糸の変更
の3つが必要です。
これらのことを自由に出来る業者を選ぶことができれば、あなたのブランド織ネームは50%以上完成しています(笑)。

 

①織物の設計図「型の修正」とは


ブランドタグのお見積もりをされた人はご存じだと思いますが、見積もり書に「型代」という項目がありませんでしたか?
これは印刷でいう「版代」に当たります。
織ネームを制作するにはタテ糸とヨコ糸をどのように動かしてデザインを再現するのかを決めた設計図が必要になります。その設計図のことを「型」と呼んでいます。

この型はコンピュータのソフトで作られており、髪の毛のような細さのタテ糸や、様々な素材・色のヨコ糸を1本ずつ制御しています。
お客様の織ネームタグの仕上がりはこの「型」の出来具合に大きく左右されます。

試作した生地を確認し、寸法の調整やデザインの表現などを修正するために織り方を変更することが『型の修正』です。
この『型の修正』を繰り返すことで、お客様のデザインを正確に表現出来る織物が仕上がります。

 

②織機設定の微調整とは

上の『型の修正』と合わせて、織機の動きを微調整することもあります。
『型の修正』だけでは織り具合を調整しづらい場合には積極的に織機の設定を変更しますし、色糸(ヨコ糸)だけではなく、タテ糸の張り具合でも織物の仕上がりが変化するため、織物毎に最適な糸張力に微調整をおこないます。
昔の機械から比べれば楽に織れるようにはなりましたが、それでも職人の経験が必要な仕事です。

 

③色糸の変更とは

お客様のデザインの色を再現するには色糸の選択が重要になります。
しかし、色糸は印刷物と比較すると色の種類が少なく、「型」の基本となる織り方にも影響を受けて織物の色が変化する特徴があります。

上の写真は糸の見本帳ですが、例えば紫色の「M-402」という1つ糸番号に対して4種類の色が見えませんか?
実はこの4種類とも同じ色の糸で織ったものですが、織り方が異なっているだけです。
 左上:トジ15本
 右上:5枚裏朱子
 左下:綾4×4
 右下:5枚朱子
このように織り方を変えると同じ色の糸でも再現される色が変わってしまいます。

上の『型の修正』をおこなった場合、同じ色糸では色の出方が変わることがあるため、
色糸の変更も同時におこないます。

 

このように、『型の修正』、『織機設定の微調整』、『色糸の変更』はすべて連動しており、
どれか1つだけの修正で完成する場合もありますが、細かなデザインなどはこれら3つの技術を組み合わせて試作を繰り返し、デザインと色を正確に表現します。

 

この3つの技術には制作業者が「機屋」や「織り元」であることに加えて、「型」を自社内で作っている業者である必要があります。
というのも、「型作り」を外部の業者に委託している場合は、試作生地の写真を送って型作成業者に型の修正してもらうことになります。
写真だけでは細かな不具合に気づきにくく修正が完了するまでに何度もやり取りが発生し、かなりの時間がかかります

また、機屋は「型」の修正を依頼して、修正した「型」が届くまで織機を止めておくことになり、
仕事の効率が悪化するため費用の上昇や納期の遅延が発生する可能性があります。

私たちのように、実際に試し織りをした現物の生地を見て、型を作った人が直接修正する方法が、
最もデザインの再現精度が高く、短時間に型が完成します。

もちろん、当社以外の制作業者に依頼する場合にも、
 ・『型の修正』
 ・『織機設定の微調整』
 ・『色糸の変更』
これら3つの技術を持っている業者さんへ依頼すれば安心だと思いますのでご参考にしてください。

私たちはお客様のご要望に可能な限りお応えいたしますので、お気軽にお問い合わせください。

 

オリジナルのブランドタグを業者に注文する時に必要な2つのこと

私たちはオリジナルのブランドタグの制作を長年続けており、お客様ご希望のデザインデータを正確に織り上げることに自信をもっています。
織ネームはブランドの顔と考え、最適な織り方、糸素材をご提案させていただくために、詳細な質問させていただくこともございます。

納期が短い場合など、それらのやりとりがご面倒かもしれませんが、結果的には最短時間でお客様のご要望にお応えできる方法ですので、ぜひご協力をお願いします。

そこで、お客様がブランドタグを制作業者に注文する時にご準備された方が良いことをご紹介します。
私たち以外の制作業者にご注文する場合にも当てはまると思いますので参考にしてみてください。

 

①ブランドタグのデザインデータ作成について

私たちはお見積もりの正確性とご注文後の迅速な制作進行を考慮して、デザインデータはAdobe社のイラストレーターのデータをお願いしています。
このデザインデータにおいて、下記の点を踏まえたデータを作成いただければ、正確なお見積をスムーズにお伝えすることができます。また、デザイン修正の手間が省け、速やかにブランドタグの制作に取り掛かることができます。
 ・文字の大きさは英数字:1.2mmひらがな・カタカナ:2.0mm漢字:3.2mmまで
 ・生地端から文字や絵柄までは2mm離す

織物での再現が微妙な寸法での制作は、完成後にお客様の想像と異なることがまれに発生しますので、試作されることをおすすめいたします。

 

②色の指定について

お客様がデザインデータで作成された色と織り上がったブランドタグの色が異なることほど残念なことはありません。
この色のズレが発生しないためには、「デザインを印刷した現物を送付」していただくか、DICカラーガイド18版 第1巻、第2巻、第3巻での「DIC番号を指定」していただくのが最善の方法です。
他の制作業者様ではPANTONE(パントーン)を使用されているところもあるようです。

デザインの色を共通して認識できる方法でご提供いただければ、私たちがご希望の色に最も近くなる色糸を選び、織り上げるという工程が正確でスムーズにおこなえます。

お送りいただいたJPEGデータやPDFのデータを私たちがPCで見て色糸を選ぶ方法では、PCモニターの設定によって見える色が異なり、お客様のイメージ通りの色にならない可能性があります。

さらに色の再現に強いこだわりをお持ちのお客様には、必ず試作することをおすすめいたします。
微妙な明暗などは見る人により若干の違いが生じますので、お客様の商品同様、ブランドタグの色へのこだわりに、私たちもお応えいたします。

 

この「デザインデータの作成」と「色の指定」にご注意いただければ、とても正確でスムーズな制作になり、品質と納期においてお客様もご満足いただけると思います。

逆にこれらの情報をいただけないと色の確認に時間がかかり、納得のいかない仕上がりになったり、納期が遅れることもありますので、ご準備されることをおすすめします。

私たちは、お客様のこだわりにお応えしますので、お気軽にご相談ください。