2025年 新年のご挨拶

巳年生地

2025年巳年ジャガード織物生地

あけましておめでとうございます。
本年も私たちのWebサイトをご覧いただき、誠にありがとうございます。
また、旧年中は多くのお客様よりお問い合わせとご注文をいただき、心より御礼申し上げます。

2024年は大地震からスタートしましたが、幸いなことに会社や社員においても大きな被害はありませんでした。ただ、繊維関係の業者様においては被害が大きい会社もありました。
しかし、その分私たちがものづくりを続けることで織ネームの産地である石川県の経済を活性化できるのではという気持ちで仕事をしてきた一年でした。

今年も皆様の期待を少しでも超えるような品質をご提供できるよう、社員全員でものづくりに励ます。

2025年も出口織ネームをよろしくお願いいたします。

年末年始休業のお知らせ

出口織ネームのサイトをご覧いただき、ありがとうございます。

誠に勝手ながら下記期間を年末年始休業とさせていただきます。

年末年始休業:2024年12月27日(金)〜2024年 1月 5日(日)

12月27日(金)午前中は通常営業をしておりますが、午後は社員全員で大掃除をいたします。
また、年末年始休業明けは 1月 6日(月)より通常営業いたします。

休業期間中はご不便をおかけいたしますが、ご了承くださいませ。

昨日、今年の初雪がありましたが翌日には道路の雪は溶ける程度の少ない雪でした。
年末年始中にはもっと積もると思いますが、大雪にならないことを願います。

社員一同、体調管理に気をつけながら休業期間にリフレッシュし、また来年も皆様に素敵な商品をお届けいたします。

引き続き、株式会社出口織ネームをよろしくお願いいたします。

刺繍タグをオリジナルの織りネームやブランドタグで制作する

「刺繍タグの刺繍部分の色は自由に選べますか?」
「刺繍ネームは小ロットで作ってもらえますか?」
というお問い合わせを最近いただくことが増えました。

衣類やバッグなどには取り付けられていることが多いブランド名が分かる小さい布生地。
梨地織りと綾織りブランドタグ
これらは私たちの業界では、「織ネーム」や「ブランドタグ」と呼ばれています。
しかし、お客様から上のようなご質問をいただくことが増え、織ネームは専門用語だったと思い出しました。
お客様からすると、刺繍というイメージなんですね。他にもいろんな呼び方がされいますが、その話また別の時に。
さらに、余談ですが、私たちは「」の入っていない”織ネーム”と書きますが、多くのお客様は「り」が入った”織ネーム”と書かれます。
日本語変換では候補の1番目に”織りネーム”とされますから、当然ですよね。

昔は大手メーカー様がブランド名やブランドロゴを織り込んだ織ネームをスーツやネクタイ、シャツ、財布やバッグなど様々な商品に取り付けていることが多かったです。

最近はハンドメイド作品をお作りされているお客様もブランド名や作者名を入れた刺繍タグをご使用されていらっしゃいます。
やはり、ご自分の作品や製品に取り付けることで、購入者様に安心感とオリジナル感を与えることができるのではないかなと感じています。

さて、
 『織ネームと刺繍ネーム』 『ブランドタグと刺繍タグ』
の違いですが、
『ベース生地に、色糸を追加して文字やデザインを描く』のが刺繍ネームや刺繍タグです。

刺繍手作業4色の糸

写真ACより引用

これは白いベース生地にグレーの糸を針に通し、ベース生地に刺して文字を描いています。色糸の方向は上下左右に加えて、斜め線も自由に表現できます。
文字の上のお花も白・黄・緑の糸を1本ずつ針で生地に縫い付けて表現しています。
刺繍の特徴は、デザインの糸がベース生地より盛り上がるため、立体感があります。

ベタ織り8色ブランドタグ『ベース生地とデザイン部分を1枚の生地として同時に織る』のが織りネームやブランドタグなどです。
私たちの織物の糸の方向はいつも、上下左右だけです。斜め線や曲線は工夫して再現しています。
織りネームには、細かな線の表現や多くの色を使えるデザインの自由度が高い点と、擦れなどに強いという特徴があります。

刺繍5色ミシン作成

写真ACより引用

刺繍は刺繍用ミシンで作ったものの方が皆さん見たことがあるのではないでしょうか?
帽子やユニフォームについていることが多い、ワッペンですね。
ミシンで作ったワッペンは色も多く使え、デザイン性も高いです。
そして、刺繍ワッペンとしての存在感が強いですよね。

私たちが作る織りネームは最大12色の色が使え、ベース生地にもデザインや模様を織り込むことができます。実は、下の織りネームのベース地には模様が入っています。
そのベース地の上にブランド名やブランドマークなどを自由に描けるのが織りネームです。
ベタ織り8色ブランドタグこの織りネームの色糸は上下方向に入っています。黄色の文字の部分を拡大すると見やすいです。
そして、色糸の下に隠れていて見えませんが、左右方向にタテ糸が入っていて、色糸(ヨコ糸)とタテ糸が交差して織物が出来上がっています。
糸の方向は常に縦と横です。斜めにもできる刺繍とは異なる点ですね。

  刺繍(ミシン) 織りネーム
文字の表現 △最小4mm ○最小1.2mm
フォントの種類 △少ない ○多い
デザインの表現 △中~大サイズ ○小~大サイズ
色数 ○最大15色 ○最大12色
設計図の有無 ○不要 ×必要
少ロット生産 ○10枚でも同額 △100枚以下は割高
大量生産 ×苦手 ○得意
費用 ○100枚以下は安い ○初回 or 追加で300枚以上なら安い

このような特徴があると思いますので、取り付けされる製品のイメージに合うタイプをお選びください。
ブランド名などが入った織りネームやブランドタグは、商品を購入される方に安心感を与え、オリジナル感もアップすると思います。
ぜひ、織りネームで作成したいお客様はお問い合わせくださいませ。
お客様の製品の安心感や高級感アップをお手伝いする織りネームをご提案させていただきます。

織ネームのお問い合わせはこちらから!

アウトドアブランド鎌倉天幕様のオリジナル織りネームでこだわりの文字表現

鎌倉天幕ブランドタグ大

今回ご紹介させていただく制作事例は、株式会社 ニューテックジャパン 様の『鎌倉天幕』ブランドのオリジナル織りネームです。
 鎌倉天幕ブランドのWebサイトはこちらから

アウトドアを趣味にしている人であればご存知の人が多いとは思いますが、高品質はもちろん、ユーザーのことを考えたアフターサービスで有名なブランドです。
近年はキャンプブームで多くのアウトドアブランドからテントやタープなどが販売されていますが、個性的なスタイルをした格好良いテントとタープが印象的です。
しかも、使用している生地やポールにも機能的な要素を盛り込み、機能性が大好きな男性には最高のキャンプギアと言われているのが分かります。

鎌倉天幕_ピスネーム_種類

そんな鎌倉天幕ブランドの織りネームを製造させていただいたのは5年ほど前になります。
白石代表様から直接お問い合わせいただきました。
対応した担当者は失礼ながら鎌倉天幕ブランドを存じ上げておりませんでしたが、Webサイトを拝見すると、強いこだわりが入った製品を開発されていることが伝わり、「ブランドの顔になる」織りネームにも私たちのこだわりを込めてお作りさせていただきました。

予めご希望の織り方をお知らせいただき、納期もお急ぎのようでしたので弊社からのご提案の織り方も含め、織り方サンプル画像をお送りさせていただきました。
白石様は織物にも非常にお詳しく、数回のお打ち合わせで制作内容をお決めいただき、お問い合わせから3日後には設計図の作成に取り掛かることでき、短期間での納品にご協力いただけました。

お作りするブランドタグはキャンプ用品に使用されること。また、ブランドネームには漢字とアルファベットが入っていました。
鎌倉天幕_デザインデータこの情報から型と呼ばれる設計図作成担当者が力を入れたのが下記の3点です。
 (1)擦れに強い生地
 (2)英字のセリフ部分の再現
 (3)漢字の曲線の滑らかさ

(1)擦れに強い生地
この機能を実現するには『裏朱子』という織り方を選びました。
一般的に擦れに強い織り方は平織りですが、細い線や小さい文字の再現は難しいことが多いです。
今回のデザインを拝見し、裏繻子織をご提案させていただきました。
また、今回は『センターフォールド』という折り曲げ加工をおこないますので、ヨコ糸をどちら方向に走らせるのかなども含めて織り方を決めています。
裏朱子織りの特徴はこちらを御覧ください:出口の技術-裏朱子織


(2)英字のセリフ部分の再現
デザインデータの英字には下記の赤丸のような特徴があります。

鎌倉天幕_英字セリフ部アルファベットの先端にあるこれらは、”セリフ”や”うろこ”と呼ばれる小さい飾りです。
特に「T」と「E」のアルファベットの先端には上下方向に飛び出すセリフがあります。
小さい文字の場合、この飾りのような小さい線は通常通りの設計図を作る作業では再現されにくいことが多いです。

鎌倉天幕_英字生地_修正前初回に試し織りをした上の生地では上下方向の飾りが小さかったり、欠けているものがあります。これらの部分がいくつもあるので、担当者がルーペで生地を確認し、一箇所ずつ手作業で設計図を直していきます。

そして、最終的に完成した生地ががこちらです。

鎌倉天幕_英字生地_完成版飾りを再現するヨコ糸を表面に出るように修正し、上下方向の大きさも揃えられる箇所は揃えています。
パッと見ても分からないかもしれませんが、文字全体として見るとセリフ体と言われるフォントの雰囲気が伝わるための大事な部分だと思います。
 
ちなみに、下の緑丸の部分で左右方向の線が途切れている部分があります。

鎌倉天幕_英字生地_留め
この部分は黒いタテ糸で文字を表現している白い糸を留めている部分です。
この留めが無いとヨコ糸が長く表に出続け、ブラブラして直線を表現できないので、文字の表現に支障が少ない箇所で糸を固定しています。


(3)漢字の曲線の滑らかさ
デザインデータの漢字の書体は、全体に滑らかな印象があります。

鎌倉天幕_漢字デザインデータ織物で再現が難しいのは曲線部分です。線の輪郭がガタガタすると滑らかな線に見えません。

下記は初回の試し織り生地です。ベース地の色は試し織り工程の効率化などの理由で別の糸で進めることもありますが、完成までには色の確認も試し織りでおこなっています。

鎌倉天幕_漢字生地_修正前「鎌」という文字の赤線部分は上下方向の直線ですが、微妙に斜めになっていて、カクっと右にズレて線が続いているように見えます。
また、赤丸のはらいの根本部分が詰まった漢字でスッキリしていません。
このような箇所を手作業で修正していきます。

鎌倉天幕_漢字生地_修正後修正前と比べると滑らかな線になり、すっきりとした漢字として表現できたと思います。

さらにもう1点ご紹介します。

鎌倉天幕_漢字生地_修正前2こちらの「倉」という文字は、赤丸部分の縦線が太くなりごちゃごちゃして見えます。
また、赤線のように口の縦線が機械的に急に細くなり、垂直の線に見えます。
こういう見え方をする部分を担当者が気づき、1箇所ずつ糸の動きを修正します。

鎌倉天幕_漢字生地_修正後2修正後の生地では、赤丸部分は縦線が細くなりスッキリしました。
口の縦線も少し角度があり、漢字らしい口になりました。

という手作業による細かい部分の修正が多いのが設計図作成担当者の仕事です。

下の画像の上が修正前で、下が完成版です。

鎌倉天幕ブランドタグ_比較

言われなければ分からない修正点もありますが、少しでもきれいに再現できるために、どの担当者も努力を惜しみません。

設計図の修正するたびに、工場で織機のスケジュールを組み直し、試し織り作業をおこないます。今まで使用してしていた糸をすべて試し織り用の糸に交換し、織機の設定も試し織り生地用に変更になるので、工場の製織担当者も大忙しです。

今回は合計6回の試し織りと設計図の修正をおこない完成しました。デザインによって変わりますが、少ない場合で3回。多いものだと10回を超える試し織りになることもあります。
設計図の完成がもっと早く、精度の高いデザイン表現ができるように、新たなソフト開発にも取り組んでいます。うまく活用できるようになれば、短納期のご要望にもお応えできると思いますので、今後も改善し続けます。

設計図が完成すると、量産工程に入り、完成版生地を確認しながら、糸の張力やカット位置を確認・調整しながら不良品にならないように織り上げます。糸の張力調整は担当者が糸を引っ張りながらその強さで決めていますので、まさに職人の技です。

そして、樹脂加工工程を経由して、検品・カット・折り曲げ工程をおこないます。

鎌倉天幕_折り曲げ加工前

ここでも、検査担当者が全枚数を目視で確認します。
小さなキズや汚れなどをすぐに見つけられる目も経験が必要な仕事です。

最後にテープ状につながっていた織りネームを1枚1枚にカットし、お客様のご要望に応じた折り曲げ加工をおこないます。今回ご紹介させていただいた織りネームはサイズが大きいため、1枚1枚のカットと折り曲げは手作業でおこないました。
一般的なブランドタグなどに多い90mmまでの幅は専用の機械で折り曲げながらカットできますが、これもまた機械の調整に微妙な塩梅が必要で専任の担当者でなければ動かせません。
この折り曲げで失敗すると不良品になりますので、しっかりと調整しながら作業をおこない、カット作業後にも再度折り曲げが正しく出来ているのかを確認し、最終検品しています。

最近は緻密なデザインを採用されるお客様が多くいらっしゃいますので、型と呼ばれる設計図作成が長時間化しております。TVの解像度がフルハイビジョンから4Kになったように、細い線や小さい文字を留めの見えないように織り上げる高密度織りが人気で、細い糸を従来の2倍ほど織り込みデザインを表現します。

この高密度織りは織りネームだけではなく、お守りや御朱印帳などの生地づくりにも人気です。さらに私たちはシリアル番号や選手名などの文字を1枚ずつ異なるように織り込むことができます。

私たちが蓄積してきた様々な技術を使ってお客様のご要望にお応えいたしますので、お気軽にお問い合わせください。

最後に、制作事例の掲載を許可いただきました白石様、誠にありがとうございました。
今後ともより良い製品をお作りするお手伝いをさせていただければ幸いです。

 

 

織りネームの最低ロットや費用を知りたい 50枚でも作成できますか?

最低ロット_綾織ブランドタグ

「織りネームは何枚から作ってもらえますか?」
「お守り袋の最低ロットは何個ですか?」
といったお問い合わせを多くいただきます。

私たちは最低ロットを決めていませんので、1枚でも50枚でも100枚でも作成いたします。
新ブランドを立ち上げて初めて織りネームを作られるデザイナーの方や、参拝客に氏名入りのお守り袋をお渡ししたい寺社のご担当者様からすると、最小ロットは何個から作ってもらえるのかはとても気になることですよね。

干支のお守り_最低ロット

織りネームやブランドタグだけではなく、お気に入りの写真を織物生地にしたものなども1点から制作できますので、お気軽にお問い合わせください。
ただ、費用に関しては注意していただきたいことがありますのでご説明いたします。

○型代
織りネームやお守り袋など織物生地を作るには「型」と呼ばれる織物の設計図を作る必要があります。
これは織物生地の作成費用とは別にいただく費用になりますが、初回だけ発生するもので、2年以内に追加のご注文あった場合、型代はいただきません。
この型作成費用はデザインの大きさや細かさ、色の数によって変動し、ご注文数の多い少ないとは関係が無い費用です。

○製品代
織りネームやお守り袋などの製品代は、ご注文いただく数量によって生地単価が変動します。
ご注文数が多い場合は効率よく生産できるため生地単価が安くなり、逆にご注文数が少ない場合は生地単価が高くなります。
この生地単価にご注文数量を掛けたものが製品代になります。
お客様にお送りする御見積書では、数量ごとに単価と金額が表示されている箇所です。

○初回ご注文時の費用
 ・型代
 ・製品代(生地単価×ご注文数量)
 ・送料
が最低限必要になります。
そして、ご注文内容によっては、デザイン作成費やブランドタグの折り曲げ加工費用、お守りの部材費用、試作費用などが発生いたします。

最低ロットを決めておりませんが、費用に関してご注意いただきたい点は、
 「ご注文数量が300枚までは製品代があまり変わらないことが多い」
ことです。

織りネーム_梨地織り-最小ロット

50枚の織りネームをお作りになる場合も、300枚の場合も製品代はあまり変わらないという感じです。

100枚の制作をお考えのお客様はお見積書を見ていただくと、300枚以上にご注文数を変更される方が多くいらっしゃいます。

デザインの緻密さや生地の寸法などで多少の違いがございますので、Adobe Illustrator VerCS5 のデータを添付してお問い合わせいただけると、正確なお見積もりができます。

織ネームのお問い合わせはこちらから!

織りネームのサンプルや織り方見本を送って欲しいというお問い合わせ

初めて織りネームやブランドタグを作られるお客様からのお問い合わせはたくさんいただきます。
「分からないことばかりですが、注文出来ますか?」
「色々教えていただけますでしょうか?」
などなどから始まるお問い合わせです。

お客様からすると、織りネームやブランドタグは織り方が何種類かあったり、
織る機械が違うと仕上がりが異なるとか、色はどんな具合に仕上がるのか?
などなど分からないことが多いですよね。

ですが、 『全く問題ありません!!』

朱子織のブランドタグサンプル

私たちがお見積りに必要な情報は下記の5点です。

 (1)デザインデータ
 (2)寸法
 (3)折り曲げ方法
 (4)取り付け製品
 (5)制作枚数

これらの情報をいただけますと、正確なお見積もりが可能です。

(1)デザインデータ
写真でもお見積りは可能ですが、Adobe社 Illustrator(イラストレーター)で実際の寸法で作成されたデザインデータの方が、確実なお見積りができます。
その際は「文字のアウトライン化」と「Ver.CS5」にダウングレードして保存していただいたデータを添付してください。
このデータはブランドタグを作成するときに必要になります。もしイラストレーターでデータの作成が難しい場合は、弊社でも作成が可能ですので、データの元になる写真や手書きの資料をお送りください。その際には、お作りしたいサイズに近いサイズの写真でお送りいただけるとスムーズにお見積りができます。

(2)寸法
これは(1)のデザインデータを実寸で作成いただければ問題ありません。
まだデザインデータが無い場合や、写真・手書きでのデザインの場合にはご記入いただきたいです。
折り曲がった状態での寸法と生地全体の寸法など、お客様と認識違いが発生するといけませんので、ぜひご記入くださいませ。

(3)折り曲げ方法
織りネームは取付方法により、数種類の折り曲げ方法があります。
下記のページにはカット加工(折り曲げ)一覧がありますので、ご希望の形に仕上がるカット加工をご指定ください。
 カットと折り曲げ加工:https://doname.co.jp/skill/cut-fold/
折り曲げ方法によっては、縫い代の確認や織り方向の変更などお客様のデザインを最適に再現するために参考になります。
折り曲げの縫い代もお客様のご要望に合わせることができますのでお伝えください。

織りネームの折り曲げ方

(4)取り付け製品
織りネームがどのような製品のどこに取り付けられるのかが分かると、織り方選びの参考になります。
例えば、バッグの外側に取り付けられる場合は、他の物と触れ合う機会が多いでしょうから、擦れに強い織り方や糸をご提案させていただくこともできます。
逆に肌に触れる場所であれば、触れても痛くない織り方や切り口が柔らかくなる方法処理をおこなうなど、最適な製品をご提案できます。

(5)制作枚数
制作する枚数によって単価が変わります。
弊社では最低ロットは設けておりませんので、1枚でも作成いたします。
過去に何度か1枚だけのご注文はありましたが、1枚あたりの単価が高くなります。
織り方やデザインの色数にもよりますが、300枚までは織りネームの総額はあまり変わらないことが多いです。1枚のラベル代と300枚のラベル代の総額が近い感じですが、500枚や1,000枚となると、1枚作成した価格よりも高額になります。
もちろん、その場合の1枚あたりの単価はさらに安くなります。
ご希望枚数ごとにお見積りもできますので、2,3パターンの制作枚数をお知らせください。

このような情報をいただければお見積りはできますが、実際にどんな具合に出来上がるのを確認出来ないと不安ですよね?
そのため、生地サンプルや織り方見本を送っていただきたいというご要望もいただきます。
しかし大変申し訳ございませんが、弊社で制作しているものはすべてオーダーメイド品ですので現物の送付は控えております。
弊社の織り見本帳画像や自社サンプル品の画像はお送りできますし、有償にはなりますが、お客様のデザインデータで試作品を作ることも可能です。
色の再現はもちろん、細い線や小さい文字の再現具合を重視される場合は、ほとんど方が試作されてから本番生産になります。

色に関しては特に、認識のズレが無いように確認していただきたいです。
以前、色選びの難しさについて書いた記事がありますので、参考にご覧ください。


まずはお気軽にお問い合わせいただければ、詳しい担当者が説明し、どのような仕上がりをご希望されているのかを遠慮なくお聞かせいただければ、最適なご提案いたします。

お問い合わせは下のボタンからのお問い合わせフォームやお電話でもお待ちしております。

織りネームのお問い合わせはこちらから!

 

織物で作る縁起物や凧揚げ大会グッズにおすすめの凧(たこ)を作成中

私たちはジャガード織機を使って『織物製凧』も作っています。
2006年から制作しており、毎年新年の縁起物としてご注文いただいています。
その年の干支をテーマに弊社でオリジナルのデザインを作成し、お客様にご提案しています。

普段作成している織りネームやブランドタグはお客様のデザインを忠実に織物で再現することを目指していますが、この凧は弊社のデザイン担当者が自由にデザインや色を選ぶことができる製品です。
もちろん、お客様の了解を得られるまでデザインの修正は続きます。
デザインの提案を任せていただけるととてもありがたいご注文です。

そんな織物製凧ですが、私たちのジャガード織物生地だけでは完成しません。
凧の骨組みになる竹材や凧の形を作る糸などを組み上げて完成させています。
業者さんから入荷した竹材は、先端が角ばっているのですべて研磨して、生地に竹材を通りやすくしています。
と同時に、完成した凧を持った時に竹材の先端で怪我をしないように、角を落としています。

織物製凧竹材を研磨

今年は複数人のスタッフで協力して研磨工程をおこないました。
慣れない作業で時間がかかったかもしれませんが、今まで以上にお客様の製品に愛着が湧いたようです。
また、竹材を研いでいる時は、製品を購入されたお客様がどんな感想をお持ちになるのか、小さい子が持った時に怪我をしないだろうかを気にしていたようです。

凧の生地もそろそろ織り上がってくる予定ですので、過去の生地で組み上げの確認をしています。

織物製凧用竹材研磨02

織物製凧を作成中

写真のように裏面も糸が出たままではなく、生地として織り上げています。
もちろん、表面はデザインがしっかり織り込まれています。
さらに、裏面には竹材を通す穴を作ってあり、生地の折り曲げなどはありません。
紙の凧では竹材を固定するために折り曲げたりしていますが、私たちの織物製凧は『袋織』技術を使って、縫製作業無しで作ります。

織りネームなどで培った織り技術を活用して、縁起物や記念品、凧揚げ大会用グッズなどにもおすすめの、織物製凧についてのお問い合わせもお待ちしております。

 

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ピスネームをオーダーメイドで作りたいけど寸法の決め方は?

「オリジナルのピスネームは作ってもらえますか?」

「もちろんお作りできますよ!」

このようなお問い合わせがあります。
私たちは、お客様のオリジナル織りネームやブランドタグをオーダーメイドとして制作しており、幅や長さもお客様がご自由にお決めいただけます。
ただし、幅は10mm以上いただくなど、少し制限はありますが、多くはご要望にお応えできる寸法で製造できます。

ところで、この『ピスネーム』という呼び方ですが、なぜピスネームと呼ばれるのかご存知でしょうか?
ファッションビジネス専門紙の繊研新聞社のWebページによると、

 ・ピスネームはジーンズのおしりに付けられているバックポケットの側面に挟んで縫い付けられていた
 ・アメリカでジーンズが広まった頃に護身用のピストルをバックポケットに入れていたため、バックポケットはピスポケットと呼ばれていた

このようなことから、ピスネーム(Pis Name)と呼ばれるようになったと書かれていました。

ピスネーム取り付け位置
ピスネームの取り付け位置例

もちろん、現在はバックポケットに取り付けるものだけではなく、シャツのポケットやポーチなどの側面に生地の間に挟み込んで取り付けられているものもピスネームと呼ばれています。


ピスネームの特徴は、二つ折り(センターホールド)加工されていて、片面もしくは両面にブランド名やブランドロゴが入っています。

イメージとしては下記のように、片面にのみブランド名やロゴマークが入ったもの取り付けが位置がポケットの横などの場合は表面のみが見えることが多いので、片面にだけブランド名を織り込む場合が多いです。

ピスネーム縦片面ブランド名
ピスネーム横片面タイプ

または、表と裏の両面に織り込まれたもの。

ピスネーム縦両面ブランド名
ピスネーム横両面タイプ

これは取り付け位置がシャツやポーチの側面に取り付ける場合で、後ろからも見える位置なので両面にブランド名やブランドロゴが織り込まれたタイプが多いです。

ピスネーム縦両面センターホールド
ピスネーム横両面センターホールド

ピスネームの完成形はセンターホールドをおこない、縫い代が7~10mmあるこのような状態です。

そしてピスネームの寸法ですが、私たちの作り方では「10mm以上の幅」が最も細い幅という制限はありますが、10mm以上であれば基本的には自由に決めていただけます。
この場合、イメージ図の上下の生地端はヒートカットと言って熱で溶かしながら切断していますので、肌に触れる場所に取り付ける場合はチクチクする場合があります。(使用する色糸の数が少なかったり、表現するデザインや文字によって薄い生地に仕上がれば気にならないことが多いです。)
生地の切り口が気になる場合は、ヒートカットをしないシャトル織機で織れば端面も柔らかい仕上がりになります。
ただし、幅方向の寸法に制限がありますので難しいところです。

ピスネーム横両面タイプ

また、ロゴや文字をきれいに再現するために、織り方の方向が決まります。
基本的にはイメージ図の上下方向が幅となり左右方向が長さとなり織り上げていきますが、色の再現や文字の表現具合などを踏まえて、最も良い方法をご提案させていただきます。

ブランド名をアピールするピスネームにシリアル番号を一緒に織り込むことで数量限定商品に対応できますし、蓄光糸を使って夜でもぼんやりと光らせることもできます。
様々な織り方と糸素材を組み合わせて、あなただけのオリジナルピスネームをお作りいたしますので、ご要望をお聞かせください。

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ブランドタグをオーダーする時に色の指定が難しい理由と良い方法

他社で作ってもらっていた現物見本から同じブランドタグを作れるのか?」というお話の続きになります。

ブランドタグや織りネームをオーダーする時にデザインがデザインデータと異なることがあることは前回お話しましたが、実はデザインよりも色の違いの方が多く発生します。

デザインの不一致の多くは曲線や斜線の部分ですので、どの程度滑らかな線が必要なのかをお伝えいただければ、費用なども踏まえて近い仕上がりの画像サンプルをお送りすることができます。
その画像をパソコンやスマホで見ていただければ、仕上がりの目安は確認できると思います。

私たちとお客様との打ち合わせで最も難しいのはデザインの再現よりも”色の再現具合”ですね。
イラストレーターのデータをパソコンで見る色は、表示しているモニタ画面によって違います。お客様と私たちが同じデザインデータを見ていても色味が違うことがあります。

色の表現はパソコンや液晶モニタのメーカーや設定によりかなり変わりますので、お客様にお送りした織りネームがデザインデータの色と違うというトラブルは発生しやすいです。
試し織りした生地を写真で撮り、メール等でお送りしてご確認いただくこともできますが、これもモニタやスマホによって色が異なって見えますのでご注意が必要です。

色に関してはお客様に下のいずれかで色のお打ち合わせをさせていただいています。

(1)イラストレーターのCMYK値CMYKで色を合わせる方法

お客様からいただくイラストレーターのデザインデータでは選択した部分のCMYKの値を確認できます。
上の写真では水色の部分のCMYK値が確認できます。
 C:27.93%
 M:9.67%
 Y:4.86%
 K:0%
この値に近い色をDICカラーチャートから探して、織り上がった生地と比較しています。

(2)DICカラーガイドDICカラーチャート

DICの番号で指定いただきましたカラーガイドの色と織り上がった生地を比較しています。

(3)デザインをお客様にて印刷した紙
お客様が印刷したものの色をご確認いただき、その印刷物をお送りいただき、その用紙の色と織生地の色を比較します。

(4)現物見本
別の業者に制作作っていただいていたブランドタグやご希望の色に織られた生地などをお送りいただきます。
今まで使用していた織りネームなどであれば、織り方も近づけることができますし、最も色のズレが無い方法です。

しかし残念ながら、デザインを再現するために使用する色糸は何100種類もありますが、印刷物のような微妙な色の違いまでの種類は製造されていません。
さらに、織り方によって、色の再現具合が変化しますので、色糸の種類と織り方の組み合わせで最も近い色を見つけます。

色糸の変更は色糸の在庫があればすぐにできますが、糸の変更ではちょっと色ブレが大きい場合は、織り方で調整することもあります。
この場合は、織物の設計図(型と呼びます)の修正が必要になります。
メーカーの色見本帳が下の写真です。

色糸見本帳

赤線で囲んだ部分は「M-305」という色糸を①~④の4種類で織った生地が貼り付けられています。
①は濃い青色が再現できていますが、④になると薄い青というかグレーのような色に見えますね。
色の再現は奥が深く、「織り方」、「糸の色」、「糸の太さ」の組み合わせで何種類も表現できます。

弊社ではブランドタグの「型」を自社内で制作しておりますので、何度も型の修正をおこない、デザインはもちろん、色の再現具合も繰り返しおこなえます。
この点は私たちの強みであり、お客様のご要望に細かくお応えできる理由です。

それでも、100%全く同じ色にならないこともあります。
その場合は、お客様のご希望の色に最も近い色を見つけてお作りいたしますので、お任せいただくことが多いです。
製品をお受け取りになられたお客様からは「想像以上にきれいな仕上がりでした!」とのお声もいただきますのでご安心ください。

お客様の商品に最適な織りネームはもちろん、インベントグッズ用のお守り袋などの制作において、
デザインや色の再現性を求められる場合は、ぜひお問い合わせください。
いろいろなアイデアでご要望にお応えいたします。

織ネームのお問い合わせはこちらから!

中国や日本の他社で作成したブランドタグの現物見本から制作できます

「今、使ってる織りネームと同じモノは作れますか?」
「お願いしている業者さんが廃業しちゃったので、現物見本と同じものを制作できますか?」
「他の会社で作ってもらったら、文字がきれいに仕上がってなく、修正をお願いしたらこれ以上は無理って言われたんですけど、きれいにならないんですか?

というお問い合わせが時々あります。
大変お困りのお客様ばかりです。

私たちのお答えは
 『100%同じものは難しいですが、かなり近いモノに仕上げられます!
です。

以前にお願いしていた会社が製造できないのであればまだ納得できますが、ブランドタグの文字やデザインが希望通りになっていないものを作られるのは納得できませんよね。


私たちもお客様との打ち合わせで、「織物はタテ糸とヨコ糸が直角に交差して作られているので、曲線や斜線を表現するのは難しいです」とお伝えしていますが、普通に作ると斜めの線が階段状になってしまいます。

実際に織物ではないですが、イメージとしては下記のような感じです。
元のデザインデータがこれです。

イラストの元データ

これが粗めに織った時のイメージです。

粗い織り方イメージ

画像の上下と左右方向の線はきれいに表現できていますが、曲線や斜め線の部分は階段状になっているのが分かると思います。

そして、これをいろいろ工夫して織った時はこのような感じになります。

現物から作成した高密度風

階段状の部分が滑らかになっていると思います。
※あくまでも織ったときのイメージ図です。

曲線や斜線をきれいに表現する方法は、
  『糸を細くして、たくさん織り込む』
です!

簡単そうに感じるかもしれませんが、細い糸を使えるように織機で調整が必要だったり、織物設計図で細い糸に対応した細かな処置をしないと、織物としてきれいに仕上がらないんです。
これはデザインによって様々調整になるので、担当者の経験値に比例してきれいな織物になりますね。

テレビの画質も、フルハイビジョンよりも4K画質の方がきめ細かい表現が可能なのと同じ仕組みですね。
ブランドタグの業界では「高密度織り」や「超高密度織り」と呼ばれています。

この「高密度織り」は最近選ばれるお客様が多いですね。
細い糸を多く織り込むので価格は上がりますが、デザインや文字の再現がとてもきれいになります。

私たちの「裏朱子織り」は高密度織りに適した織り方ですので、ご参考までにご覧ください。

ただ、織る前にどの程度ガタガタするのかをお伝えするのは難しいので、近い仕上がりになる参考画像をお見積もり時にお送りすることもできます。

デザインの表現具合にもこだわるお客様は、別途費用が発生いたしますが試作をおすすめします。
実際にお客様のデザインでブランドタグを制作し、現物をお送りいたしますので安心です。

長くなってしまいましたが、お客様から完成形の現物見本をお送りいただくのが最も正確に制作できます。
画像では分かりにくいベース地部分の織り方も再現しやすいです。
ぜひ、今お持ちのブランドタグと同じものを制作したい場合は、現物をお送りください。

でも、ホントはデザインの再現よりも色の再現の方が難しいんです。
色のお話はまた次回で。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

弊社では、可能な限りお客様のご要望に応じられるよう、技術力向上に努めておりますので、ぜひ、お気軽にお問い合わせくださいませ。