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ピスネームをオーダーメイドで作りたいけど寸法の決め方は?

「オリジナルのピスネームは作ってもらえますか?」

「もちろんお作りできますよ!」

このようなお問い合わせがあります。
私たちは、お客様のオリジナル織りネームやブランドタグをオーダーメイドとして制作しており、幅や長さもお客様がご自由にお決めいただけます。
ただし、幅は10mm以上いただくなど、少し制限はありますが、多くはご要望にお応えできる寸法で製造できます。

ところで、この『ピスネーム』という呼び方ですが、なぜピスネームと呼ばれるのかご存知でしょうか?
ファッションビジネス専門紙の繊研新聞社のWebページによると、

 ・ピスネームはジーンズのおしりに付けられているバックポケットの側面に挟んで縫い付けられていた
 ・アメリカでジーンズが広まった頃に護身用のピストルをバックポケットに入れていたため、バックポケットはピスポケットと呼ばれていた

このようなことから、ピスネーム(Pis Name)と呼ばれるようになったと書かれていました。

ピスネーム取り付け位置
ピスネームの取り付け位置例

もちろん、現在はバックポケットに取り付けるものだけではなく、シャツのポケットやポーチなどの側面に生地の間に挟み込んで取り付けられているものもピスネームと呼ばれています。


ピスネームの特徴は、二つ折り(センターホールド)加工されていて、片面もしくは両面にブランド名やブランドロゴが入っています。

イメージとしては下記のように、片面にのみブランド名やロゴマークが入ったもの取り付けが位置がポケットの横などの場合は表面のみが見えることが多いので、片面にだけブランド名を織り込む場合が多いです。

ピスネーム縦片面ブランド名
ピスネーム横片面タイプ

または、表と裏の両面に織り込まれたもの。

ピスネーム縦両面ブランド名
ピスネーム横両面タイプ

これは取り付け位置がシャツやポーチの側面に取り付ける場合で、後ろからも見える位置なので両面にブランド名やブランドロゴが織り込まれたタイプが多いです。

ピスネーム縦両面センターホールド
ピスネーム横両面センターホールド

ピスネームの完成形はセンターホールドをおこない、縫い代が7~10mmあるこのような状態です。

そしてピスネームの寸法ですが、私たちの作り方では「10mm以上の幅」が最も細い幅という制限はありますが、10mm以上であれば基本的には自由に決めていただけます。
この場合、イメージ図の上下の生地端はヒートカットと言って熱で溶かしながら切断していますので、肌に触れる場所に取り付ける場合はチクチクする場合があります。(使用する色糸の数が少なかったり、表現するデザインや文字によって薄い生地に仕上がれば気にならないことが多いです。)
生地の切り口が気になる場合は、ヒートカットをしないシャトル織機で織れば端面も柔らかい仕上がりになります。
ただし、幅方向の寸法に制限がありますので難しいところです。

ピスネーム横両面タイプ

また、ロゴや文字をきれいに再現するために、織り方の方向が決まります。
基本的にはイメージ図の上下方向が幅となり左右方向が長さとなり織り上げていきますが、色の再現や文字の表現具合などを踏まえて、最も良い方法をご提案させていただきます。

ブランド名をアピールするピスネームにシリアル番号を一緒に織り込むことで数量限定商品に対応できますし、蓄光糸を使って夜でもぼんやりと光らせることもできます。
様々な織り方と糸素材を組み合わせて、あなただけのオリジナルピスネームをお作りいたしますので、ご要望をお聞かせください。

織りネームのお問い合わせはこちらから!

ブランドタグをオーダーする時に色の指定が難しい理由と良い方法

他社で作ってもらっていた現物見本から同じブランドタグを作れるのか?」というお話の続きになります。

ブランドタグや織りネームをオーダーする時にデザインがデザインデータと異なることがあることは前回お話しましたが、実はデザインよりも色の違いの方が多く発生します。

デザインの不一致の多くは曲線や斜線の部分ですので、どの程度滑らかな線が必要なのかをお伝えいただければ、費用なども踏まえて近い仕上がりの画像サンプルをお送りすることができます。
その画像をパソコンやスマホで見ていただければ、仕上がりの目安は確認できると思います。

私たちとお客様との打ち合わせで最も難しいのはデザインの再現よりも”色の再現具合”ですね。
イラストレーターのデータをパソコンで見る色は、表示しているモニタ画面によって違います。お客様と私たちが同じデザインデータを見ていても色味が違うことがあります。

色の表現はパソコンや液晶モニタのメーカーや設定によりかなり変わりますので、お客様にお送りした織りネームがデザインデータの色と違うというトラブルは発生しやすいです。
試し織りした生地を写真で撮り、メール等でお送りしてご確認いただくこともできますが、これもモニタやスマホによって色が異なって見えますのでご注意が必要です。

色に関してはお客様に下のいずれかで色のお打ち合わせをさせていただいています。

(1)イラストレーターのCMYK値CMYKで色を合わせる方法

お客様からいただくイラストレーターのデザインデータでは選択した部分のCMYKの値を確認できます。
上の写真では水色の部分のCMYK値が確認できます。
 C:27.93%
 M:9.67%
 Y:4.86%
 K:0%
この値に近い色をDICカラーチャートから探して、織り上がった生地と比較しています。

(2)DICカラーガイドDICカラーチャート

DICの番号で指定いただきましたカラーガイドの色と織り上がった生地を比較しています。

(3)デザインをお客様にて印刷した紙
お客様が印刷したものの色をご確認いただき、その印刷物をお送りいただき、その用紙の色と織生地の色を比較します。

(4)現物見本
別の業者に制作作っていただいていたブランドタグやご希望の色に織られた生地などをお送りいただきます。
今まで使用していた織りネームなどであれば、織り方も近づけることができますし、最も色のズレが無い方法です。

しかし残念ながら、デザインを再現するために使用する色糸は何100種類もありますが、印刷物のような微妙な色の違いまでの種類は製造されていません。
さらに、織り方によって、色の再現具合が変化しますので、色糸の種類と織り方の組み合わせで最も近い色を見つけます。

色糸の変更は色糸の在庫があればすぐにできますが、糸の変更ではちょっと色ブレが大きい場合は、織り方で調整することもあります。
この場合は、織物の設計図(型と呼びます)の修正が必要になります。
メーカーの色見本帳が下の写真です。

色糸見本帳

赤線で囲んだ部分は「M-305」という色糸を①~④の4種類で織った生地が貼り付けられています。
①は濃い青色が再現できていますが、④になると薄い青というかグレーのような色に見えますね。
色の再現は奥が深く、「織り方」、「糸の色」、「糸の太さ」の組み合わせで何種類も表現できます。

弊社ではブランドタグの「型」を自社内で制作しておりますので、何度も型の修正をおこない、デザインはもちろん、色の再現具合も繰り返しおこなえます。
この点は私たちの強みであり、お客様のご要望に細かくお応えできる理由です。

それでも、100%全く同じ色にならないこともあります。
その場合は、お客様のご希望の色に最も近い色を見つけてお作りいたしますので、お任せいただくことが多いです。
製品をお受け取りになられたお客様からは「想像以上にきれいな仕上がりでした!」とのお声もいただきますのでご安心ください。

お客様の商品に最適な織りネームはもちろん、インベントグッズ用のお守り袋などの制作において、
デザインや色の再現性を求められる場合は、ぜひお問い合わせください。
いろいろなアイデアでご要望にお応えいたします。

織ネームのお問い合わせはこちらから!

中国や日本の他社で作成したブランドタグの現物見本から制作できます

「今、使ってる織りネームと同じモノは作れますか?」
「お願いしている業者さんが廃業しちゃったので、現物見本と同じものを制作できますか?」
「他の会社で作ってもらったら、文字がきれいに仕上がってなく、修正をお願いしたらこれ以上は無理って言われたんですけど、きれいにならないんですか?

というお問い合わせが時々あります。
大変お困りのお客様ばかりです。

私たちのお答えは
 『100%同じものは難しいですが、かなり近いモノに仕上げられます!
です。

以前にお願いしていた会社が製造できないのであればまだ納得できますが、ブランドタグの文字やデザインが希望通りになっていないものを作られるのは納得できませんよね。


私たちもお客様との打ち合わせで、「織物はタテ糸とヨコ糸が直角に交差して作られているので、曲線や斜線を表現するのは難しいです」とお伝えしていますが、普通に作ると斜めの線が階段状になってしまいます。

実際に織物ではないですが、イメージとしては下記のような感じです。
元のデザインデータがこれです。

イラストの元データ

これが粗めに織った時のイメージです。

粗い織り方イメージ

画像の上下と左右方向の線はきれいに表現できていますが、曲線や斜め線の部分は階段状になっているのが分かると思います。

そして、これをいろいろ工夫して織った時はこのような感じになります。

現物から作成した高密度風

階段状の部分が滑らかになっていると思います。
※あくまでも織ったときのイメージ図です。

曲線や斜線をきれいに表現する方法は、
  『糸を細くして、たくさん織り込む』
です!

簡単そうに感じるかもしれませんが、細い糸を使えるように織機で調整が必要だったり、織物設計図で細い糸に対応した細かな処置をしないと、織物としてきれいに仕上がらないんです。
これはデザインによって様々調整になるので、担当者の経験値に比例してきれいな織物になりますね。

テレビの画質も、フルハイビジョンよりも4K画質の方がきめ細かい表現が可能なのと同じ仕組みですね。
ブランドタグの業界では「高密度織り」や「超高密度織り」と呼ばれています。

この「高密度織り」は最近選ばれるお客様が多いですね。
細い糸を多く織り込むので価格は上がりますが、デザインや文字の再現がとてもきれいになります。

私たちの「裏朱子織り」は高密度織りに適した織り方ですので、ご参考までにご覧ください。

ただ、織る前にどの程度ガタガタするのかをお伝えするのは難しいので、近い仕上がりになる参考画像をお見積もり時にお送りすることもできます。

デザインの表現具合にもこだわるお客様は、別途費用が発生いたしますが試作をおすすめします。
実際にお客様のデザインでブランドタグを制作し、現物をお送りいたしますので安心です。

長くなってしまいましたが、お客様から完成形の現物見本をお送りいただくのが最も正確に制作できます。
画像では分かりにくいベース地部分の織り方も再現しやすいです。
ぜひ、今お持ちのブランドタグと同じものを制作したい場合は、現物をお送りください。

でも、ホントはデザインの再現よりも色の再現の方が難しいんです。
色のお話はまた次回で。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

弊社では、可能な限りお客様のご要望に応じられるよう、技術力向上に努めておりますので、ぜひ、お気軽にお問い合わせくださいませ。

織りネームをオーダーしたいけどイラストレーターのデータが作れない

ブランドタグの手書きデザイン

織りネームやブランドタグをオリジナルのデザインで作りたいのに、イラストレーターでデザインを作るのが難しくて困っているお客さんからご相談があります。
外部のデザイナーさんに依頼してデザインを作成してもらっているお客様からのお問い合わせが多いかもしれません。


イラストレーターのソフトってプロ用なので操作が難しいですよね。
私も必要最低限いくつかの操作しか使えませんので、描きたいモノが作れないことが多いです。その場合は、エクセルの図形機能で描いちゃいます。

しかし、残念ながら織りネームやブランドタグはもちろん、お守りやミサンガ、織りテープなどの作成には、Adobe社のイラストレーターで作られたデザインデータが必要です。
織物の設計図に相当する『型』を作る時には、このデータを元にするため必要なのです。

以前、こちらの記事にも書きましたが、「デザインデータの作成」と「色の指定」があると、お見積りから製品の制作までがスムーズになります。
 https://doname.co.jp/blog/unofficial-news/725
しかし、手書きやWord、Excelで作成したデザインでも、弊社でイラストレータのデータをお作りすることは出来ます。
別途デザインデータ作成費用をいただくことになりますが。

上の写真の手書きは、かなり以前に自社の織りネームサンプルを作成しようとしたときに、手書きでデザインを描いたものです。
これを弊社の型作成担当者にお願いしてイラストレーターのデータで作ってもらったのが下のデザインです。

手書きのデザインをイラストレーターで作った

綾織の斜線を逆向きにした背景に会社名をアルファベットで描きました。
担当者のアイデアも取り込み、フォントや斜線のピッチ、大文字・小文字を大文字のみに変更しました。
ここまでのイラストレーターデザインがあれば、数量ごとのお見積りも出来ますし、型作成もすぐに始められます。
今回は、デザインいまいちなどの理由で私のデザインは不採用に・・・。

イラストレーターのデザインをお客様からいただいたとしても、織物でデザインや文字を再現するためには、いくつか修正していただきたいことも発生します。
文字の大きさが小さすぎたり、線が細すぎると表現が難しくなりますので、何度か修正があることを考えると、多少イラストレーターの操作が出来る方がコストも納期も短くなります。もしくは、デザインデータ作成から弊社にお任せください。

弊社はこれまで蓄積した技術で他社で断られたという、小さい文字や細い線が何本も描かれているデザインをお客様のご納得されるレベルで織物で再現して参りました。

お客様の
 「こんなにキレイに織れるんですね!びっくりしました!!」
の声を1つでも多くいただけることを目指して、スタッフ全員でジャガード織物作成に取り組んでいます!

下記の織り方紹介ページから、あなたのご要望にあった織りネームや製品の織り方を探してみてください。

織りネームの種類紹介のページはこちら